2016年2月5日金曜日

「話さずに伝える」方法 「研修ファシリテーターのための研修成功のポイント」(1)

2016年1月3日「マインドマップ 目標実現GIFT 1日集中講座」での
塚原美樹の講義風景


講師というのは、話す仕事だと思われていると思うのですが、実は、「良い講師ほどあまり話さない」と私は考えています。

もちろん、話してはいるのですが、「話さずに伝える」方法を知っていて、それを上手く使っているということです。

「話さずに伝えるって、いったい、どういうこと?」

とお思いですよね?

今日はこれについてお話しさせていただきます。

この方法が分かると、プレゼンや講義などが上手にできるようになるだけでなく、社内のマネジメントが上手になったり、営業担当者であればお客様との折衝が上手になります。

とても役立つ考え方だと思うので、ぜひ、興味を持って読んでくださいね。

「話さずに伝える」方法


(1) 場の構造を「1対N」から「Nの集合」に変える

講師が話しすぎている時、場の構造はどうなっているかというと、「1対N」で、こんな感じではないでしょうか。

[講師] → [受講者 受講者 受講者 受講者]

こういう構造の場になってしまうと、受講者は受け身の立場で、講師から何かを受け取るだけになってしまいます。

「講師が話していることが正解です」という構図です。

この場合、受講者の反応は以下のいずれかではないでしょうか。

・A:講師の言うことに納得する
・B:講師の言うことに批判的な気持ちになる。
・C:講師の言うことがよく分からない。
・D:講師の言うことを鵜呑みにする。

もちろん、講義の中ではこういうシーンもあるのですが、この構造だけですと、全員に納得してもらうことができません。

そこで、場の構造を次のように変えるとどうなるでしょうか。

[受講者 受講者 受講者 受講者]
        ↑
        [講師]

ちょっと分かりにくい図で申し訳ないのですが、この図は、受講者が各々情報発信をしており、相互に協力しながら考えているのを、講師が下からサポートしているという構造を表しています。

これは、ファシリテーター型講義のイメージです。

この場合には、受講者は受け身の立場ではなく、能動的な立場になっています。

受講者は自分が「考えること、理解すること」に積極的に参画しているため、納得しやすくなります。

では、どうすれば、このような場の構造を生み出せるのでしょうか?

(2) 受講者に話してもらう

場の構造を、受講者が参画するようなものにするために、講師がやるべきことは「問いかける」ということです。

「このテーマについて、皆さんはどうお考えになりますか?」

いきなり、ここで誰かを指すと、指された受講者は引いてしまいますので、注意してください。

自分の意見を言いやすい雰囲気づくりが大切です。

「では、お隣の人と話してみていただけますか?」

まず、自分の考えを言いやすい、隣の受講者の方と意見交換をしていただきます。

「では、今度は全体共有したいのですが、どんな話が出ていたか共有していただけますか?」

ここでも、「あなたの意見を言ってください」ではなく、「どんな話が出ていたか共有してください」としています。

自分の意見ですと、「間違っていたらどうしよう」のような気持ちが働き、言いにくいものですが、出ていた話をするだけで良いのなら、気が楽ですよね。

受講者の方が発表してくれたら、まずお礼をしましょう。

「ありがとうございます」

その上で、いただいた意見をもとに受講者全体に話を広げていきます。

「Aさんの今の意見について、Bさん、どのようにお考えになりますか?」

「反対の意見の人は?」

「同じ意見の人は?」

「よかったら、あなたの意見を聞かせてもらえませんか?」

こんな感じです。

このようなファシリテーションをしていると、受講者同士が話し始め、お互いに意見交換をしあうという場を作ることができます。

講師が一方的に正解を話すのではなく、「受講者が共に考える」という場が生まれます。

(3) 受講者が考えたことをまとめる

ある程度、十分に受講者同士の話し合いができ、受講者がテーマに対して積極的に考えることができたと思ったら、最後に、受講者から出てきた話のポイントを講師がまとめます。

この時に、講師が行っているのは「繋げる」という作業です。

受講者は様々なことを話しますので、必ずしも、こちらが伝えたいこととは違うことも出てきます。

受講者から出てきた色々な話の中から、学習してもらいたいポイントに繋がるものを探し、上手く繋げるようにしてまとめるのです。

「つまり、ポイントは〇〇、××、●●ということでしょうか。Aさんの話は〇〇そのものですね。Bさんの意見は××と関係していましたね・・・・」

時には、こちらが想定していた以上のものが受講者から出てくることもあり、この方法で講義を進めると、大変な効果が現れることがあります。

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今日は、講義というシーンを通じて、「話さずに伝える」方法についてお話ししましたが、これは営業活動のシーンや日常の会議の場などでも使えると思います。

皆さん自身の体験に結びつけて、考えてみていただけたら嬉しいです。

よかったら、コメント欄にメッセージをください。

2 件のコメント:

  1. 私は講師を始めて9ケ月です。
    マンツーマンスタイルで、コミュニケーションにおける弱点改善の講座を行っていますが、ここ最近壁を感じる時がありました。
    受講者に合わせて講座内容を組み立てていますが、
    知識として理解するだけでは受講者自身の成長に繋がらない場合もある、という壁です。
    そんな時にたまたま塚原先生のブログを拝見し感銘を受けました。
    お蔭さまで私自身のスキルをもっと磨いていこうと前向きな気持ちを持つことができました。ありがとうございます。

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    1. 塚原美樹です。メッセージありがとうございます。このブログを見つけてくださって、お読みくださり、ありがとうございます。
      他にもいろいろなブログやウェブサイトを運営しています。これからも、どうぞよろしくお願いしまーす!

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