2017年2月23日木曜日

相談下手な人のための相談術No.4「相談内容を考える」



相談下手な人が、もっと上手に相談できるようになるために、今日は、「相談内容」をどう考えるかについてお話ししたいと思います。

相談内容は、それこそ相談したいことだから、明確になっていそうなものですが、実は、相談したいと思っている人のほとんどは、自分が何を相談したいのかよく分からないのではないでしょうか。

私は職業柄、仕事として、またプライベートでも、さまざまな人の相談に乗ることがあります。

相談したいという人の話を聞いてみると、ほとんどは整理されていません。また、どうして欲しいのか、どうなりたいのかも、ご本人は分からない様子なのです。

カウンセリングやコンサルティングという仕事は、相談者本人が自分の置かれている状況を整理できておらず、問題を特定できずにいる時にこそニーズがあります。

まず、問題を明確にしてあげるところをお手伝いするのがカウンセリングであり、コンサルティングということなのですね。

今起きている問題の表面だけを見て、それを解決したいと言っているような場合も同様です。発生している問題を解決するためには、その問題の奥にある本質に目が向けられなければならないのですが、その本質は見えておらず、ただ起きた問題に振り回されて困っているという人が多いということです。

問題そのものや問題の本質が明確化されれば、あとは、その問題が消えた状態を目指して行動すれば良いのです。問題の明確化の際に、きちんと本質まで行き着いていれば問題解決方法は見えるはずです。一番大事なところは、問題そのもの、問題の本質を明確にすること自体なのです。

こう考えてみると、相談というのはそもそも、何を相談したいのか、何が問題なのかよく分からない時にこそ、したいものなのです。

ところが、職場においては、上司や先輩に相談をする際には、「相談内容を明確にし、整理をしてから相談するように」と教えられてしまいます。

何が問題なのか分からないから相談したいのに、問題を明確にしないと相談してはいけないと言っているようなものですね。これでは、相談したい人は動きようがありません。

困っていることを伝える

たとえば、企画を考えるように言われたのだけれど、そもそも、どうやって考えて良いのか分からない、けれど、考えるのが仕事だから、やらないわけにはいかない、という状況だとしましょう。

こんな場合、いきなり「どうやって考えればいいのでしょうか?」などと上司に相談してしまうと、「それを考えるのが仕事だろ」と言われかねませんよね。指示を出した上司も、「少しは自分で考えて欲しい」と思っているはずですから、これはあまり上手い方法ではありません。

けれど、本当にどうやって考えればいいのか分からないで困っているとします。その場合には、まず、自分が本当に困っていることを先に伝えるのです。

この時のキーフレーズは

 「この件を進めるにあたり、考え方が分からず困っているのですが、相談できる人はいないでしょうか?」

 「この件について、行き詰まってしまっているのですが、少しお時間をちょうだいできませんか?」

といった感じです。

上司が忙しそうであれば、「困っているので応援してくれる人を要請したい」という趣旨を伝え、上司が対応してくれそうであれば、「困っているのであなたに応援してもらいたい」という趣旨を伝えるのです。

なお、この時は、困っていることを伝えたいので、困っている様子で話すようにしていいです。

「こんなことで困っているなんてカッコ悪い」
「行き詰まっていることを言うなんて、仕事のできないヤツと思われるんじゃないか」

と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
いつまでも一人で困っていて、どうしょうもない時期になるまで放っておくよりも、より早く相談したほうが、よほど仕事のできる人と思われます。

現状を一応整理しておく

このようにして、相手に、自分が困っていることを伝えることで、話を聞いてくれる可能性が高まります。

話を聞いてもらうチャンスが得られたら、まず、現状を正確に伝えるための準備をしましょう。

あなたはおそらく「とにかくどうしていいか分からない」といった状態でしょうから、自分一人で問題を明確化したり、問題解決をする必要はありません。ただ、どんなことでも良いので、自分の頭の中にあることをとにかく出し切り、整理するのです。何が本当の問題であるかとか、どのように問題解決するかというのは、あとで考えるようにします。

この時には、マインドマップというツールが役に立つでしょう。マインドマップは頭の中を見える化するようなツールで、整理されていないことを連想のままに書き出すことができます。こんな絵を見たことはありませんか?これがマインドマップです。




上のマインドマップはミニマインドマップと呼ばれ、鉛筆一本でも簡単に書けるタイプです。下のマインドマップはカラフルでもう少し難しそうですよね。自分の現状を整理する目的で使ってみるなら、まずミニマインドマップを使うと良いでしょう。

やり方は、あなたの頭の中に浮かぶことをただ書くだけです。最初から整理する必要はありません。線のつながりは関連性だけですので、論理的に、構造的に作ろうとする必要もありません。とにかく、困っていることに関して、頭に浮かぶことをランダムに書き出してみましょう

書き出す前は、何がなんだか分からないと思っていたことでも、書き出してみると、頭の中が見えるようになるため、少しは全体の様子が分かるようになるはずです。

相手に相談の時間を取ってもらう前に、この作業をやっておくと良いです。どうして良いか分からないことでも、まず、自分が何を思っているのか、どんな状況かだけでも、分かるようにしておくのです。

言いにくいと思うこともあえて言ってみる

マインドマップは人に見せるためのものではないので、本音を書くようにします。本当は自分はどうしたいのかとか、自分に対してどんな気持ちでいるのか、社内の人たちや仕事に対してどんな気持ちでいるのか、なども書いてみると良いでしょう。

相談をする際、遠慮をして、自分の本当の気持ちを話さない人もいるでしょう。けれど、相談に乗る側も、あなたの気持ちが分からなければ、あなたを助けることもできません。ですので、言いにくいと思うこともあえて言ってみるということも、時には大切です。

先ほどの、企画を考えなくてはならない例の場合にも、単に、「企画を考えるための道筋が分からない」というだけではなく、頭の中には、「こんな状態で会社の中でやっていけるのだろうか」とか、「目標が高すぎてついていけない」とか、「評価が心配」などの思いが隠れているかもしれません。

これらのことすべてを相手に伝える必要はないかもしれませんが、「なぜ自分が考えられなくて困っているかというと、実は、こんなことも考えられない自分に対して不安を感じているからなのだ」ということが少しでも伝われば、話は変化してくる可能性があります。言いにくいことを、あえて言ってみることによって、相談される側も、あなたにとってより良い方法を考えるきっかけができるのです。

社内が針の筵(むしろ)の場合には

本来は、こうした弱い面も上司や先輩、同僚などに見せられるような職場環境が望ましいのですが、そういう環境にいないという人もいるかもしれないですね。相談しようにも、針の筵のような職場で、誰にも話ができないというような場合です。

この場合には、自分の人生を見直す時が来ているのかもしれません。

職場は人生の多くの時間を過ごす大切な場所ですから、周囲の人たちと人間関係が築けないような職場にいつまでもいたのでは、自分が疲れ果ててしまいます。

その場を離れる決断をする時は苦しいものですが、別れることは、新たな人間関係を築いていくためのスタートでもあります。思い切って、飛び出してみることも考えて良いのではないでしょうか。

会社を辞めるとなると、生活費などの面で不安があるかもしれませんが、今の日本社会においては、ほとんどの人はしばらく収入がないからと言って死んだりしません。なんとかやっていけるようになっています。

いつまでも同じところで堂々めぐりしているくらいなら、新しい人生に向けて早く歩き出したほうがよほどいいのです。

そうは言っても、なかなか自分一人では解決できないかもしれません。

そんな時には、心療内科などに相談に行くのも一つの方法です。心療内科には精神科の医師や臨床心理士がいて、カウンセリングをしてくれるところもあります。民間の得体の知れないカンセラーよりは少し価格が高いでしょうが、きちんとした訓練を受けたカウンセラーなので、一定の信頼性があります。

「心療内科に行くなんて、メンタル面でおかしな人と思われたら困る」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。現代は、ストレスの多い社会です。本来、健康な人であっても、参ってしまうことは誰にでもあります。昔に比べると、心療内科を受診することは、より普通になっています。また、誰に知られるものでもありません。

しばらくカウンセリングに行ってみて、もう大丈夫と思える時がきたら、行くのをやめれば良いだけです。

さて、本当は職場で良い相談相手をみつけられるのが何よりですね。相談に乗ってくれそうな相手に、より良い感じで相談に乗ってもらうために、いろいろと工夫をしてみてくださいね。

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